誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは
ここでは、「嚥下障害」が原因で起こる「誤嚥性肺炎」に関して説明します。「嚥下困難とは」のページでも簡単にご紹介しましたが、水や食べ物、胃食道逆流物(※)などが誤嚥によって肺に入ってしまい、細菌が繁殖して炎症を起こすことで起こるのが誤嚥性肺炎です。
高齢者のかかる肺炎は、誤嚥性肺炎が多いと考えられています。飲食物の誤嚥による誤嚥性肺炎が起こる流れを、下図で解説します。
(※)胃食道逆流 : 胃の中のものが、食道を遡って逆流してしまうこと
高齢者はわずかな誤嚥が重篤な肺炎や呼吸器疾患につながりやすいため、誤嚥性肺炎に関して周囲の人が十分に注意しておく必要があります。
「こんなことが原因でも起こる?」誤嚥
誤嚥性肺炎の原因には、飲食物の誤嚥以外に次の二つの誤嚥が考えられています。
1.細菌を含む分泌物の誤嚥
2.胃食道逆流による内容物の誤嚥
一度誤嚥性肺炎を起こすと、気道粘膜はなかなか完全には回復しません。そして粘膜の感覚が鈍くなってしまい、誤嚥しても咳が起こりにくくなり、食物を有効に排泄できないためますます肺炎の危険が増大する、という悪循環が起こります。
誤嚥性肺炎の兆候や発見法は?
医師であっても、内科や呼吸器を専門にしている医師でないと診断がなかなか難しいものです。「風邪です」と言われて薬をもらってもなかなか治らない、その後だんだん元気がなくなり…よく調べたら誤嚥性肺炎だった、というケースもあります。
激しく咳込む
濃い痰が多くなった
高熱が出る
呼吸が苦しい
上記のような典型的な症状があれば発見は容易ですが、高齢者の場合、外に出る症状が軽いのにも関わらず、肺炎が進行していることもしばしばあります。
一般的な熱・咳・痰などの他に、次のような症状に注意してください。
その他の注意すべき症状
- 元気が無い
- 食事時間が長くなった
- 食後に疲れてぐったりする
- ぼーっとしていることが多い
- 失禁するようになった
- 口の中に食べ物をためこんで飲み込まない
このように、肺炎と無関係と思えるような症状でも、よく調べると肺炎であったということがあります。「変化に敏感になる」ことが大切です。
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