どんな点に注意すればよいか
水分補給の際には以下の点にご注意ください。
熱中症とその予防について(夏場の水分補給)
熱中症とは?
日射病や熱射病の総称で「体内の熱を放散できず脱水症状を起こす状態」の事を熱中症といいます。
熱中症発生のメカニズム
- 暑い中での労働
- スポーツ活動中
- 幼児が高温環境でおこるもの
熱中症の種類
注意
熱中症のサイン
- 体温があがる
- 気分が悪くなる
- こむらがえりが起こる
- 体がだるくなる
こんな症状の時は熱中症に注意!
このような状態を放っておくと…嘔吐や呼吸困難、意識がなくなることもあります。
熱中症を予防するには?
汗をかく前に水分補給をしましょう。
直射日光や高温下に長時間いないようにしましょう。
暑い環境に乳幼児を放置しないようにしましょう。
屋外では帽子をかぶりましょう。
冬場の脱水対策
夏に比べると冬は汗をかいている実感がなく、喉の渇きも感じにくいですが、昼間でも睡眠中でも水分は絶えず排出されているのです。
冬でも水分が不足する理由
冬場は空気が乾燥しているためにウイルスが蔓延しやすくなり、感染症にかかりやすくなります。特に乳幼児や高齢者は、下痢や嘔吐や発熱などにより、脱水症状に陥りやすくなります。
水分補給のポイント
ノロウイルスにかかると一日に何度も嘔吐と下痢を繰り返します。その為、失われた水分を補わなければと思い、一度にコップで水分を多量に飲む方が見られます。
しかし身体はそれを受けつけず、せっかく摂った水分を嘔吐したり、腸を刺激することになって下痢をしたりと、下痢と嘔吐の繰り返しになります。
そのような場合は、口に含むという程度の少量の水分を複数回に分けて補給することで、身体も少しずつ受けつけ、水分が摂れるようになります。
水分補給に関する注意点
食事以外でも1日1000mlから1500mlの水分を補給しましょう。
一般的に高齢者は、食事から摂取できる水分以外に、1000~1500mlの水分が必要だと言われています。
ただし、体調や環境の変化によっては、より多くの水分補給が必要となることもあります。発熱時・下痢・嘔吐をしたときは、特に注意が必要です。
誤嚥に気をつけましょう。
水分補給をしようとしても嚥下障害(えんげしょうがい)を持ってる人は、誤嚥し、水分が気管に入ってしまい、肺炎をおこす可能性があります。
また誤嚥するとむせてしまい、苦しいので水分補給を嫌がり、その結果脱水症状になってしまうというケースもよく見受けられます。むせが気になる方は、お医者さんに相談しましょう。
下痢・嘔吐・発熱時は特に注意!普段よりも多くの水分補給が必要です。
体内から多くの水分が失われると、脱水症状になります。重い脱水症状になると意識が失われることもありますので、下痢・嘔吐・発熱のときは特に多くの水分を補給しましょう。
水、お茶だけではなく、汗などで失われる電解質(イオン)も補給しましょう。
汗には塩分などのミネラル分も含まれているため、水だけを飲んでいると、かえって体液が薄まってしまいます。
イオン飲料には体に必要な電解質が配合されているので、汗などをかいた時にはイオン飲料で水分補給をする事がおすすめです。
一度にたくさん飲ませようとせず、こまめに何度も摂りましょう。
高齢者はのどの渇きを感じにくいため、あまり水分摂取をしようとしません。また、失禁などの排泄面が心配で、水分補給を嫌がる方もいます。そんな方に無理やり水分補給を促しても嫌がってしまいます。根気強く、「こまめに水分補給すること」、「排泄面で精神的にも十分なケアをすること」などが重要となります。
水分量を制限されている方は、お医者さんにご相談の上、水分補給をしましょう。
腎臓病・心臓病などで水分を制限されている方は、お体に合った適切な水分量を補わなければなりません。
水分補給に関しては、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。
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