嚥下困難とは
「嚥下障害(えんげしょうがい)」とは一体どのようなもので、なぜ起こるのでしょうか?ここでは、病気や加齢に伴って起こる「嚥下障害」について、図などを交えて簡単に説明します。
※当コンテンツは浜松市リハビリテーション病院院長の藤島一郎先生の監修の下で作成しています
嚥下困難・嚥下障害って何?
私たちは普段何気なく、あまり疑問も持たずに食べたり飲んだりしています。もし、「食べたくても舌やのどが思うように動かなくて食べられない、飲み込めない」状態になったらどうでしょうか?
病気や年をとることなどで、水や食べ物が飲み込みにくくなることを総じて「嚥下困難」と言います。また、水や食べ物が肺のほうへ行ってしまうことを、誤嚥(ごえん)と言います。これも嚥下障害の怖い症状で、病気にかかってしまうこともあります。
「誤嚥」の状態を図で説明します。
「誤嚥」すると、それが原因で誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)という重篤な病気にかかってしまうこともあります。これに関しては「誤嚥性肺炎とは」で詳しく説明します。
どうして嚥下障害になるの?
では、なぜ嚥下障害になってしまうのでしょうか?嚥下障害はその原因によって、次の3つに大きく分けられます。
- 1.器質的原因
- 腫瘍やその手術後、炎症などにより、飲み込むときに使う舌やのどの構造そのものが損傷されている場合。
具体的には舌や咽頭・喉頭・食道などの腫瘍やその術後、外傷、先天的なものなど です。
- 2.機能的原因
- 構造物の形には問題が無くても、それを動かす神経・筋肉などに原因がある場合。
具体的には脳卒中や神経筋疾患、加齢に伴う機能低下、薬の副作用などがあります。
- 3.心理的原因
- 心理的な原因が関与している場合。 具体的には鬱病などに伴う食欲不振などです。
なお、日常診療の中で一番多いのは、脳卒中が原因による嚥下障害です。また、「老化による嚥下障害」に関しては、多くの高齢者の方がその可能性を持っています。「75才を過ぎたら嚥下障害があると疑うべき」という考え方もあります。
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(監修:浜松市リハビリテーション病院院長・藤島一郎先生)